2年に渡って「地域通貨たま」に関わらせていただく中で、地域通貨がいろいろな世代にとってのコミュニケーションツールになっているということを強く感じました。具体的には地域通貨たまを通して新しい出会いがあったり、助け合いができたり、コミュニティづくりが実際に行われていたりすることです。つまり、地域通貨の対象者は全世代であるということです。私達は「対象者は全世代である」というのが地域通貨の最大の特徴だと考えています。例えば、世の中にあふれている商品には対象年齢というものがあります。また、日常で使うお金でさえも、子ども達は自由に使えなかったり、増やせなかったりなどの使用制限がかかってしまいます。そのような中、地域通貨は子どもでも自分の意志で増やせたり、使ったりすることが可能なのです。
お金でもない商品でもない地域通貨は、それぞれの自治体で存在意義を設定できます。地域通貨たまは「感謝の気持ち」を表すということが主なコミュニケーションツールですが、それ以外にも様々な価値を設定できると思います。自治体それぞれにあった地域通貨をつくり、住民同士のコミュニケーションツールとして使用すれば、より大きく活躍できるのではないかと想像しました。
そして、地域通貨を使うことで、地方の課題解決の一歩になるとも思いました。多摩区はまだそこまでではないですが、全国の地方では「過疎化」が進んでいます。過疎化が進むことで、地域同士の繋がりも薄くなり、活発でなくなっていくということが現代の課題として挙げられています。
そのような中、地域同士の繋がりがないことで、多くの弊害が出てしまうことも事実です。その一つに私達は「共助」の問題があると考えています。災害以外でも、公的支援が回り切っていないからこそ、地域の人たち同士の共助はとても重要な役割を果たすと考えています。しかし、住民同士の繋がりが薄いと、いきなり完璧な共助をすることは不可能に近いです。そのために、日常的に地域の繋がりを活発化させることが必要であると思います。それが出来る一つに、私達は地域通貨を挙げます。地域通貨を通して、地域のコミュニケーションが活発となり、多くの自治体が抱える過疎化の課題点を解決する一歩になるのではないかと考えます。