グッドマネーラボ に大学生がやってきた!!!


専修大学 経済学部国際経済学科 3 年 グッドマネーラボインターン  岩間優希
専修大学 経営学部ビジネスデザイン学科 2 年 グッドマネーラボインターン 秋山寛太

こんにちは!

専修大学経営学部2年秋山寛太と、経済学部3年岩間優希です!この度西部先生との交流をて、Good Money Labo に参加させて頂きます。私たちの今までの活動と、今後の取り組みたい抱負を書かせていただきます。
私たちは専修大学の学内講座である専修リーダーシップ開発プログラム、通称SLDP の中で地域通貨と携わる機会がありました。
まずはその紹介をさせていただきます。

SLDPって何?

専修 リーダシップ 開発 プログラム

一言で言うと「個人のリーダーシップを確立する」ことを目的として、専修大学生田キャンパスで行われている授業です。
正式名称は専修リーダーシップ開発プログラムといい、知識学習(毎週の講座)とチームでの実践活動(学外のプログラム)を通じて、「リーダーシップ」の基礎を身につけていきます。学部も学年も違う生徒が40 人ほど集まり、46 人のグループでそれぞれ異なる課題に取り組んでいます。その中で私たちは地域通貨たま運営委員会というグループに所属し、NPO グラス・かわさき様のご協力の下、川崎市多摩区にある地域通貨たまに関わっていまし
た。活動内容と致しましては、主に地域通貨の循環と地域通貨活性化のイベントを目標として、地域通貨たまの加盟店アンケートによる実態調査やたま楽市というイベントの運営を行いました。
これらの活動を通して、実際に私たちは問題発見能力と、協働の重要性を学びました。
問題発見能力としては、授業でビジネスコンテストに出る際に、社会の問題となっている題材を取り上げ、チームメンバーとアイディアを出し合いビジネスコンテストに望みました。
そして既存の問題から具体的解決策を生み出すプロセスを学びました。また、協働の重要性については、方向性の違いやチーム活動における目標の不一致がありました。しかし、亀裂が入った状態でのチーム環境では個々が目標としているものを成功できないと話し合いをすることで気が付き、関係を回復することでチーム目標、個人目標を達成するという形で授業を進めることが出来ました。
このような実体験から、専修大学でおすすめできる授業です。ホームページを見ている専修大学生は是非SLDP のホームページも見て見てくださいね!

地域通貨たまって何?

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金銭ではなく通貨が持つ働きや仕組みを利用し、多摩区内のボランティア活動を中心として、人、地域、地球に良いことをする活動を活発にしていくのを目標としているNPO団体です。コンセプトとして、「たま」は多摩区のたまを球として、いろんな人の間でキャッチボールされ、出会いを作るのを目標としています。現代社会において、地域での生活は便利にそして豊かになり、他人と直接的な関わりを持たなくとも生活が豊かになるのを目標としています。その結果、人を思いやる優しい関係が作りにくくなり、コミュニティが育ちにくくなってしまいました。また、そのような地域は子育て世代や高齢者世代には暮らしやすくありません。誰もが暮らしやすく、住み続けたいまち、そのためのキーワードは“参加”と“つながり”です。それを作り出すツール(道具)が地域通貨「たま」なのです。

地域通貨たまの会員には、上記のような地域通貨たまの理念に賛同する地域住民といった個人会員や地元の飲食店や商店が該当する事業者会員(加盟店)が存在します。
しかし、地域通貨たまの発行から10年以上が経過し、地域通貨たまの流通は危機的状況にあります。
ここで昨年度の活動の中で私たちが行った地域通貨たまの加盟店アンケートから分かった地域通貨たまの実態について説明していきます。
「地域通貨たまの事業者会員アンケート結果・まとめ」(地域通貨たま運営委員会と共同作成)

加盟店調査から分かるように、現状のたまはまだまだ課題が沢山あります。地域通貨の循環における活動では、地域通貨たまの加盟店である飲食店での聞き込み、加盟店紹介のパンフレットを作成しています。

①通貨の循環 ②加盟店との情報共有 ③運営の人手不足

以上の3点の事例を取り上げたいと思います。

①通貨の循環

地域通貨たまにおける最大の課題は、通貨の循環です。問題事例としては、加盟店の通貨の停滞が挙げられます。その1番の例として多摩区の名物飲食店「ルグラン」について説明します。

加盟店には会計金額の10%、500円以上で50たま利用可能など、地域通貨たまを利用する上での条件があります。
ルグランでは、会計を全額たまで支払うことができるため、他の加盟店よりも地域通貨たまの支払い上限がかなり高いです。そのため、支払われたたまが多く店舗に残ってしまい、ルグラン自身も他の加盟店などで地域通貨たまを消費することができず店主は困ってしまいました。このように地域通貨に対して協力的な店舗に対しては感謝の気持ちを還元していきたいのですが、何も還元できていないのが現状です。
このように店舗と運営との協働ができず、地域通貨たまの循環が滞り、さらには地域通貨たまの加盟店舗数が減少してしまうというのは大きな問題です。

②加盟店との情報共有

①で書いた様に、加盟店と運営の協働関係の難しいことが今の問題として挙げられます。その理由としては、情報の共有が月に一回のメールでの配信のみというのが挙げられます。昨今SNSが発展している中で、運営からの配信メールでのやり取りだけではやはりコミュニケーションが取りづらくなってしまっています。新しいコミュニティの活性化と新たな店舗を加盟店となってもらうことが重要であると私たちは感じています。

③運営の人手不足

以上2つの問題点として顕在化してる理由としては、地域通貨たまに携わる人の人数が少ないというのが挙げられます。地域通貨という2000年代に流行したものが、大学生を始めとした若者には流通していないツールとなっています。地元の人たちでも地域通貨たまの会員となり、日頃から利用している人はごく少数派であり、地域通貨たまを知らない人が圧倒的に多いのです。こういった知られていない現状から、運営の世代交代も難しくなっています。
以上のような問題点が地域通貨たまには多くあります。このような課題の発見能力を高めた上で、解決能力をGood Money Labの方で磨かせて頂きたいです!

たま楽市2021でやったこと

SLDPでの私たちの活動で紹介したたま楽市について、紹介します。
昨年度のたま楽市は、11月に川崎市多摩区枡形にある根岸陸橋跨線下公園というところで行われました。普段は地元の子どもたちが遊び場として使用する小さな公園ですが、たくさんの地域の皆様にご来場いただきました。

例年の楽市は地域通貨たまの会員が、各々手作りお菓子や手芸品、洋服を持ち寄ったり、駄菓子屋を開いて子どもたちに店番体験をしてもらったり、似顔絵やコーヒーの提供を行っていました。このたま楽市というのは大きな特徴があって、品物のやり取りやサービスの提供を現金ではなく地域通貨たまで行っています。たま楽市は地域通貨たまを実際に使用してもらい、新たな会員の増加や既存の会員の交流、地域住民との交流を目的として開催されています。

昨年度はその目的を忘れずに新たなターゲットを学生で設定し、地域通貨たまに関わる皆さまのご協力の下、学生目線の出し物を追加しました。まず、私たち学生はターゲットを地元の小学生以下の子どもに設定しました。

その理由は、少なくとも中学、高校生までは地元に残る子がほとんどであると予測して、地域たまが若い人にも根付くことを目指した点、小学生以下の子どもには両親の目が行き届いていると考え、両者も巻き込める点です。

その上で、SLDP担当の専修大学経営学部の福原先生にご協力いただき、近隣の小学校2校にチラシを配布しました。さらには学生から手づくりけん玉、キックボウリング、ジャグリング体験、スタンプラリーといった4つのアトラクションを出店しました。中でもスタンプラリーは地域通貨たまの認知向上を目的として、いくつかの加盟店の皆様にご協力いただき、たまンプラリーと題して加盟店を周り、地域通貨たまに関するクイズに答えてもらいました。

当日はチラシとたまンプラリーの効果もあって約300人の方々にご来場いただきました。そして、地域通貨たま循環の一環として地元農家さんとの関わりをつくるために購入した野菜をたま楽市内のみ地域通貨たまでやりとりすることをお試しとして導入しました。今後、農家さんと地域通貨たまとの循環する仕組み構築に取り組んでいく予定です!

たま楽市2021統計

来場者数:318人

アンケート回答者数:47人

たまンプラリー参加者:89人

年齢:10代 11/47人 40代 11/47人

来場理由:学校で配布したチラシを見て 20/47人

たま楽市で良かった出し物:手づくりけん玉11/47人、野菜9/47人

↑地元の情報誌、タウンニュースに取り上げて頂きました。

大学・地域連携事業としての活動

上記のようにして1年間、6人で活動して参りましたが、SLDPが1年間で完結するプログラムのため、今年度は大学・地域連携事業としてSLDPたま地域通貨運営委員会の同じメンバーと活動しています。

昨年のたま楽市終了後、西部先生にご自身の研究室にお招き頂きました。たま楽市の成果報告をさせていただき、これまでのたま楽市に比べて沢山の地域の方々に足を運んでいただいたこと、地域通貨たまの会員の増加があったことから、大学・地域連携事業への応募を進めていただきました。大学・地域連携事業とは、多摩区から多摩区に所属する日本女子大学、明治大学、専修大学の3校に対しての委託事業として行われています。多摩区が提示するテーマに対して多様な切り口で取り上げ、大学(教員・学生)と地域(住民・市民団体等)と行政の連携により、調査・研究や実践的な取組を行います。

各大学で審査をした上で大学ごとに1つの事業を決定し、計3つの事業を多摩区のもとで運用しています。私たちが取り組む「地域通貨たまの普及を通じた地域・経済の活性化」が専修大学の代表として、多摩区大学・地域連携事業に採用されました。まずは令和4年度の1年間、地域通貨たまの更なる発展と地域活性化のために活動しています。多摩区の支援と、西部先生の支援、たま運営委員会の皆様の支援を得て、パワーアップした活動を目指して取り組んでいます。

私たちがGood Money Labに関わらせていただきたいと思った理由についてです。

1つ目は、現在取り組んでいる地域通貨たまの運用及び生田緑地でのたま楽市開催に向けた取り組みをしています。これら活動において、自分自身の知識だけでは成功が得られないと思ったからです。

2つ目は、私は将来地方創生を主軸とした都市開発の職に就きたいと考えております。私の住んでいる地域は10年前と比べ廃れてしまい魅力であるものも発信力が小さくなってしまいました。この様な都市がコロナ禍によって、多くなりました。コロナ禍においての経済活動がどの様に動いているのか興味があり、GoodMoneyLabに関わらせていただきたいと思いました。

以上の理由により、具体的に今動いている地域通貨たまの運用。また、将来を見据えた経済活動の調査分析能力を学ぶためGoodMoneyLabで勉強させていただきたいと思っております。

最後に...

少子高齢化が進み、ウイルスの蔓延によって人との関わりが減少している今、地域通貨というローカルでその土地ごとの個性を持つツールによって、幅広い世代の交流の場を作ることが経済活動と人とのつながりを生む一つの大きなきっかけになるのではないかと思っています。その一環として地域通貨たまに関わり、私たちがターゲットとしている子どもたちやその保護者の方々を中心に地域通貨たまをきっかけとした交流やつながりを根付かせることでそのきっかけづくりの一歩になるのではないかと考え、活動しています。(岩間)

 

私は、GMLでの活動及び地域通貨たまでの活動を得て将来的には地域デザインを主軸とした不動産に就職したいと思っています。

地域通貨や独自貨幣を学んでいると「昔は賑やかな場所だったんだよな」というような声が多く聞こえてきました。そのような人の憩いの場所が少なくなってきていることに寂しさを覚え、街づくりである不動産への就職を考えています。

土地の再開発、郷土料理の発信など日本を元気にできるような存在になりたいです!(秋山)

今後の展望を紹介!!

現在生田緑地で開催する「たま楽市」に向けて出展者の確保、小学生に楽しんでもらうためのプロモーション、地域通貨の理解を広める施策を考察しています。

楽市当日は、1000人を呼ぶことを目標としており、多くの方の協力の元開催の準備を進めております。

具体的には、地域振興を視野に入れた多摩区の自営業の飲食店と農家を結ぶ取り組みを考えております。野菜の廃棄を無くすこと、飲食店の売り上げが上がること、これら自体は地域通貨の普及とは絡みがない経済活動となってしまいます。しかし、多摩区の創生を視野に入れた時、将来的には多摩区での自給自足をした時に区民の繋がりが強いことが必要不可欠だと思いました。

以上から僕らは、多摩区の高齢化による経済活動の衰退を視点に入れた時長期的な解決を地域通貨を利用して地域創生ができると考えました。

また、専修大学に在籍している西部先生のもと活動して、経済活動の活性化について学んでいくことで自身の学びと、多摩区への還元ができると思いました。

自身の大学生在学中の目標である「たま楽市」と、多摩区の地域振興に貢献できるよう励みますのでこれから宜しくお願い致します。

どうぞよろしくお願いします!